かげむし堂

音楽と、音楽家と、音楽をめぐる物語について。

【連載】春秋社PR誌『春秋』2017年12月号「フェルディナント・リース物語」第3話掲載

春秋社さん刊行のPR誌『春秋』にて連載中の「フェルディナント・リース物語」、第3話が2017年12月号(No.594)に掲載されました。

ご案内が遅くなりすみません!!(クリスマス号ですね♪)

 

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(前回までのあらすじ)単身ウィーンに乗り込み、師ベートーヴェンのもとで数々の試練を乗り越えてついにデビューを果たしたリース。しかしその後に彼を待ち受けていたものとは…!?

 

リースという人はもっぱらベートーヴェンの弟子としてのみその名を知られているわけなので、師弟生活を終えたあとのリースというと、もはや後日談というか、オマケ的に受け取られても致し方ないところではありますが……
むしろフェルディナント・リースの人生は第2話までが前座で、第3話からが本番です!!!!と主張しておきたい。

第3話は、フェルディナント・リース人生の華の20代、しかし世はナポレオン戦争まっただなか。危険をかえりみずにパリ、二度目のウィーン、それから北欧~ロシアへの演奏大旅行へと至る蛮行をお届けいたします。

 

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リースとペテルブルクで再会し、その後、演奏旅行をともにしたベルンハルト・ロンベルク(1767-1841)
ボン出身ではありませんが、1790年より、従兄弟のヴァイオリニスト・アンドレアスと共に
ボンの宮廷オーケストラに参加。ここで3歳年下のベートーヴェンと親しく交友したほか、
幼いリースにチェロを教えていたこともあるそうです。
リースの演奏旅行の経路は戦時下独特の紆余曲折があり面白いですが、
この人はもっとアクティブですね。チェロをかついで、ポルトガルやスペインまでにも
足を伸ばしています。

 

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ところが向かったモスクワはとんでもねえことになっていただ!の画。

 

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とうとう「アメリカに行く!」と息巻き出したリースであったが
アメリカも当時こんな状態だったでござる(米英戦争なう)

 


しゃーない。それならとりあえず、目指すはロンドンだ……!
というわけで、リースの無鉄砲サバイバルストーリーは次話へ向かうのでありますが、はてさてどうなるやら。
お楽しみいただければ幸いです。

 

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